02-11;その他 検査結果
ALP
- 血液型のB型とO型の一部の人は食後にALP5型が上昇しますので、食前の採血が必要です。
- 肝硬変でもALP55型が上昇することがあります。
- ALP高値を占める最も頻度の高い疾患は、1型と2型の増える肝胆道系疾患
甲状腺機能亢進症
- 骨が多く壊されると同時に多く作られますので、骨性のALPであるALP3型が上昇します。
妊婦
LD
- 昔はアイソザイムと、LD/AST比で臓器障害の場所を推定した。1・2型優位で比が10以下なら心臓由来、比が20以上なら赤血球由来。2・3型優位で比が20以下なら骨格筋由来、比が20以上なら白血球由来。3・4・5型優位で、比が10以下なら骨格筋由来、比が20以上なら悪性腫瘍由来。5型優位で、比が50以下なら肝臓由来、比が10以上なら悪性腫瘍由来。
- ただし1型と2型は半減期が70時間以上あるのに対して、5型は10時間に満たない。したがって病初期は分類につかえても、時間が経つと1・2型が増えてしまう。
- 一般に肝疾患ではLD5>LD4ですが、転移性肝がんでは逆にLD4>LD5になる。
アミラーゼ
- 食事による影響もあまりないと言われていますが、糖質を摂取すると増加し、たんぱく質や脂質を摂取すると低下する傾向がある。飢餓の時や大量飲酒後に増えることがある。
- 加齢とともに上昇する傾向があり、腎機能の低下による排泄障害が関与しているといわれる。
- 肺がん、卵巣癌、卵管癌の中にはアミラーゼを産生するものがある。
急性膵炎
- アミラーゼが上昇しない場合がある;アミラーゼは腎臓より比較的早く排泄される。
- 尿中のアミラーゼは発症直後より上昇し、2週間ほど高値が持続するため、診断に有用。ただし尿が濃縮されると見かけ上アミラーゼが高値になるため、判定には注意が必要。
- リパーゼはアミラーゼよりも異常値の持続時間が長く、アミラーゼとともに測定すると診断率の上昇につながる。
- 膵炎の重症度とアミラーゼの値は関連しない;Ca,LD,血小板数、腎機能などと関連。
マクロアミラーゼ血症
- アミラーゼに抗体ができ、抗体とアミラーゼが結合したもの(大部分はIgAが関与)。マクロアミラーゼは大きいため、腎臓からの排泄が行われず、結果としてアミラーゼが高値になる。
- 血液と尿中のアミラーゼおよびクレアチニンを測定し、排泄の度合いを計算するACCRという検査にてわかる。
CK
- 通常、CK-BB1%以下、CK-MB4%以下、CK-MM94%以上の値を示します。
- 再生中の骨格筋には、CK-MBも多く含まれるので、時にCK-MBが上昇し、一見心筋梗塞のようなパターンになることがあります。
- CK-BBは、主に脳に存在しますが、脳の病気で上昇することは稀です。前立腺がん等の悪性疾患で、CK-BBが増えることがあります。